【Flower stories】サルスベリ~待ち焦がれて百日
ICHIKAWA Kazuhiroです。
サルスベリは、
夏から秋にかけて、ピンクや白、また鮮やかな紅色の花を咲かせる花木です。
和名の由来は、樹皮が白くツルツルしているので、サルが登ろうとしても滑ってしまうことだそうですが、
サルは普通に上っていくそうです(笑)
【Flower〜サルスベリ百日紅〜その2】 ~待ち焦がれて百日
このお話は、「花の文化史(松田修著)」に紹介されていた朝鮮に伝わる伝説を基に、基本的な骨格は残しつつ、一部脚色を加えて作成しました。
大体こんな感じです。
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昔、朝鮮の海岸の漁村では、生贄を竜神に捧げることで、水難を防ぐ習があった。その生贄に村一番のの長者の娘が選ばれた。
娘は犠牲者として最後の化粧を終え、海岸に立って竜神を待っていると、この国の王子が船に乗ってこの岸に着く。
そして娘から事情をきいた王子は、娘のために竜神と戦って征伐。このことがきっかけで、王子とこの娘は恋仲になるが、王子は王の命令で他に行く場所があったので、百日を期して再びここに戻ることを約束し別れることになった。
しかし、娘は百日を待たずになくなってしまった。百日目に戻ってきた王子だったが、娘の死を知り嘆き悲しんだ。
その娘の遺体を丁重に埋めてやったところ、その場所に1本の木が生えてきた。そして咲いた花は、百日もの長い間花を咲かせた。
村の人々は、それを見て、娘の生まれ変わりだとし、百日紅と名付けた。
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百日紅。学名はLagerstroemia indicaといいます。
花がものすごく固まって咲きますので、大変華やかですが、
一つ一つの花を見ますと、奇抜な形をしていました。
面白いので見てみてください。
学名のLagerstroemia(ラジェルストレミア)は、18世紀スウェーデンの超有名な植物分類学界のスーパースター「リンネ」の友達、Lagerstroum博士にちなんだもの。種名indicaはインドのということのようです。
中国原産と言われているのに、なんで「インドの」なんでしょうか?
ヨーロッパに渡った時に、インドから来たと間違われたのかな?
植物の名前(特に和名)は混乱することが本当に多いですが、学名でも注意しないと間違って覚えてしまいますね^^;
【俺の雑草魂】タンポポの巻
【俺の雑草魂】第3弾。
Daidai Kazuoです。
少し前の私は、西洋のポポばかりが目に付いて、
在来のポポは駆逐されてしまったのかと悲しい気持ちでいました。
しかし、調べてみると日本古来のものは春にしか咲かないということがわかり、春によく見てみると古来のものが結構生き残っています。
春以外に咲いているものはすべてセイヨウなので、知らないとほとんどセイヨウだって思うわけですね。
気温差や、日照条件が悪いとセイヨウも育ちにくいと考えられていて、郊外では依然古来のものが優勢を保っている所も多いらしいですよ。
自然豊かなところでは、しっかりと生きている日本古来のポポ。
「どっこい生きてる、自然のなか」
うれしいじゃありませんか。
種飛ばし運動、よかったらいかがですか?
Kazuo_Daidai【Instagram】https://www.instagram.com/daidai_yan/
【Flower stories】チューリップ~博愛の選択Selection of philanthropy
ICHIKAWA Kazuhiroです。
咲いた、咲いた、チューリップの花が~♪
花にあまり興味のない方もチューリップのお花は知っているくらい、超有名な花です。
このチューリップにまつわるお話は世界中にあるようです。
今回、ご紹介したのは、チューリップ王国のオランダのお話です。
心優しい少女が求婚され、困ってしまった挙句、自分を花にしてもらうというお話でしたが、ギリシャでも似たような話があるようですね。
ただ自分が調べた限りでは、なぜ彼女は自身を花にしてもらったのか、その理由はよくわかりませんでした。
ですので、きっと皆に分け隔てなく癒しを振りまき、またみんなに平等に愛してもらいたかったからだと解釈して作成してみました。
ちなみにトルコに伝わるお話はもっとすごいです。
フェルハドという男が恋人のシリンの死を伝えられ、悲しみのあまり、自暴自棄になり自分の斧で自分に向けて振り下ろしてしまいます。
流れ出た血の中からチューリップの花が誕生した、なんて話だそうです。
この伝説が伝えられている町では、フェルハド・アラシと呼ばれる水路があり、その地域では、チューリップの栽培が今での盛んにおこなわれているようですよ。
さて、日本で一般的に栽培されているチューリップの学名は、Tulipa gesnerianaと言います。
属名Tulipaは、 ペルシャの古語で頭巾を意味する「tulipan」が 語源だそうです。
で、種小名のgesnerianaは、16世紀の大博物学者コンラート・ゲスナーに由来します。
このゲスナーさん、自分も調べるまで全然知りませんでしたが、とてつもなく偉大なお方です。
ゲスナーさんについては、インスタでも紹介しますので、お時間が許すのならご覧いただければ幸いです。
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【Flower stories】クリスマスローズ~降誕!聖夜のバラ
ICHIKAWA Kazuhiroです。
今回のストーリーズは、【クリスマスローズ】。
うつむき加減の清楚なお花です。
そんなクリスマスローズの、ヨーロッパに伝わる誕生秘話を描きました。
色々と描いていて思うのですが、
こういったお花の誕生秘話は、大抵、少女とか女性が主人公の場合が多い気がします。
【サクラソウ(鍵の花)】www.3kazu.com
然り、【ポインセチア】
www.3kazu.com
然り。
やっぱり花自体が女性をイメージしたものであることからなのでしょうか。
ドイツ語とか、女性名詞、男性名詞がある言語では、
花は女性名詞ですし。
ただ他にも何か意味があると思うのですが、、、今はよくわかりません。
面白そうなのでまた調べてみたいです。
さて、お花の情報を少し。
名前に【クリスマス】とついていますが、
クリスマスの時期だけではなく3月ごろの初春に咲くものもたくさんあります。
まさに今ですね。
どういうことでしょうか?
実は、クリスマスローズの原産のヨーロッパでは、クリスマスローズというと、12月末ごろに咲くニゲル(クリスマスローズの原種の一種)のみを指します。
一方、クリスマスローズの中でも、ガーデンハイブリット(オリエンタリス系ハイブリットとも言われている)は、ヨーロッパでは、レンテンローズと呼ばれ、キリスト教の四句節(4月レンテン節)の頃に花を咲かせることに由来しています。 .
つまり、早春に咲くのはこちらのガーデンハイブリッドの方。
どちらも学名はヘレボルスですし、日本ではニゲルもガーデンハイブリッドも合わせて【クリスマスローズ】と呼んでいるんですね。
日本には、江戸末期から明治時代ごろ伝わったようです。
当初、庭植えではなく、【茶花】として使用され、全国に広まったそうです。
花の少ない冬には重宝されたのでしょうね。
和名は【初雪おこし(ニゲルを指す)】、【寒芍薬(交配種のもの)】といい、
渋い感じで楽しまれていたそうです。
ちなみに鑑賞しているのは花ではありません。
実は萼(ガク)。
花はと言いますと、退化してしまったようですね。
雄しべの周りにある【蜜線】と呼ばれる部分が実は花びらの退化したものです。
萼なので、花が終わっても散らずにずっと残ります。
【萼(=学)が落ちない】、とか一重のものは【五角形】をしていることから【合格の花】なんて洒落もあり、受験シーズンに好まれたりもしているようですよ。
クリスマスの時期に清楚な姿で見るものの心を清らかにしてくれるクリスマスローズ。
早春にかけて、春の息吹を感じさせてくれるクリスマスローズ。
どちらも花の少ない冬~早春の長期間、見るものの心を癒してくれます。
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【Flower stories】ニオイスミレ~復活のシンボルThe symbol of revival
ICHIKAWA Kazuhiroです。
ナポレオンがこよなく愛した花。
それがスミレの仲間のニオイスミレです。
最初の妻であるジョセフィーヌとの結婚記念日には、このスミレの花をプレゼントしていたと言われています。
1814年の解放戦争で敗戦したナポレオンは、エルバ島へ島流しされることになります。
その際、ナポレオンは、
『スミレを手にして必ず戻ってくる』と言い、翌年3月には見事エルバ島からの脱出に成功。
再びパリに帰還したことによって、スミレの花は復活の象徴となったそうです。
また、ナポレオンが死ぬまで持っていたロケットペンダントの中には、ジョセフィーヌの髪と枯れたスミレの花が入っていたと言われています。
波乱万丈で派手な人生を送ったナポレオンですが、愛した花は小さくも可憐に咲くスミレだったなんてちょっと驚きです。
英雄と言えども、ひとりの人間。
きっと傷ついたり、荒んだり、寂しさなんかを感じてしまった時には、スミレに癒してもらってたんでしょうね。
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【Flower stories】ヤマブキ~みのひとつだになきぞかなしき
ICHIKAWA Kazuhiroです。
ようやくお披露目できます。
タイトル【みのひとつだになきぞかなしき】
このお話は、史実に基づいた作品になっています。
主人公は、【太田道灌】という武将。
室町時代(1432年~1486年)に活躍した武将です。
太田道灌という名前は、あまり知られていなくても、【山吹伝説】という逸話は知っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
落語にも、この伝説をもとにした【道灌】という演目があるようです。
実は、道灌、以前は”武術だけ”優れた武将でした。
しかし、このヤマブキの一件から、文の勉学に励み、文武両道の一流の武将になったと言い伝えられています。
作品中のように、もの凄く落ち込んだかは定かではありませんが、
自分の劣っているところを素直に反省し、精進するところは現代にも通ずる教訓ですね。
さて、肝心の植物の方の【ヤマブキ】ですが、
バラ科ヤマブキ属の落葉低木で、4月から5月ごろ黄金色の花を咲かせます。
「七重八重花は咲けども山吹の実の一つだになきぞ悲しき」の
歌の中に八重とありますので、八重咲のヤマブキだったのでしょう。
実は、八重咲のヤマブキは、雄しべが花弁になり、雌しべも退化しているので【実らない】そうです。
【実のひとつない】は本当に【実がない】わけです。
こんな話から、植物の生態を知れるというのも面白いですね。
ちなみに学名のKerria japonicaですが、
japonicaは、【日本の】を意味します。日本原産ということですね。
Kerriaは、スコットランドの植物学者・ガーデナーの【ウィリアム・カー】さんが由来です。
当時、未知な植物の宝庫だった中国に、植物採集に出向いた最初のプラントハンターの一人だったようですね。
園芸品種の「ヤエヤマブキ」 cv. Pleniflora(プレニフロラ)を(おそらくイギリスに?)持ち込んだという業績から、
William Kerrの名前に因んで、ヤマブキの学名を【Kerria】と名付けた、ということらしいですよ。
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【Flower stories】ポインセチア~El regalo rojo de la noche santa.
ICHIKAWA Kazuhiroです。
久しぶりにhtml タグやcssをいじって楽しい反面、上手く出来ずムムっとなっています。
今回は、メキシコに伝わるポインセチア誕生秘話です。
【Flowers〜Euphorbia pulcherrimaポインセチア】.
・トウダイグサ科トウダイグサ属の常緑性低木
・原産はメキシコと中央アメリカで寒さにあまり強くない。
・花言葉は各国で様々。結構いい加減?
ポインセチアは、トウダイグサ科トウダイグサ属の常緑性低木で、
原産はメキシコと中央アメリカです。
クリスマスの代表的な植物の一つですよね。
アメリカ合衆国の初代メキシコ公使であるJ・R・ポインセットさんから、ポインセチアと名付けらました。
日本には明治時代に伝来し、和名はショウジョウボク(猩々木)といいます。
大酒飲みで赤い顔が特徴の、伝説上の動物「猩々(ショウジョウ)」がその名の由来と言われています。
0℃を下回ると、落葉してしまうので、温度管理には注意が必要です。
冬に出回るので、寒さに強いイメージがありますが、ホントはあまり強くないんですね。
メキシコ原産ですので仕方ありません。
花言葉は、色によって違います。
赤は「祝福する」「聖なる願い」「聖夜」「私の心は燃えている」
白は、「慕われる人」「あなたの祝福を祈る」、
ピンクは「思いやり」「純潔」。
花言葉は、様々です。
言語も時代によって移り変わるように、
花言葉も変化していくのでしょうね。
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【花ことばstories】ペチュニア~Happiness species of an old lady おばあさんの幸せの種
SHIRAISHI Kazuoです。
花ことばstories【おばあさんの幸せの種】いかがでしたか?
実際にも同じことが起きています。
高速道路の渋滞時、中央分離帯へのごみのポイ捨てが問題になっていました。
そこで、中央分離帯に花を植えると、ごみのポイ捨てがほとんどなくなったそうなんです。
我々人間は、本能的に花も同じ生き物であることを察しているのでしょうか。
花や植物って、普段は気づかなくても、実は結構身近なところにいたりします。
ふとしたときにその存在に気づいて、ホッと和んだり、安らいだり。
慌ただしい今の時代、そんな瞬間に出会えるとうれしいですよね。
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【Flower storiesハナズオウ】~裏切りの樹
ICHIKAWA Kazuhiroです。
今回は【ハナズオウ】。
といっても、ただのハナズオウではなく、
【セイヨウハナズオウ】にまつわるお話。
花にまつわる話は、
全てハッピーエンドというわけでありません。
どちらかというとバッドエンドの方が多いんじゃないか?
と思うようなこともあります。
このハナズオウの話も然り。
ただ、よくよく考えれば樹自体は何も悪くありません。
裏切者が勝手にやってきて、勝手に命を絶ち、
そのせいで【裏切りの樹】と呼ばれ・・・
たまったものではありません。
そりゃ、落ち込みますよ。
と思っていましたら、Wikipediaにこんな記載がありました。
フランス語で、セイヨウハナズオウのことを「ユダヤの木」と呼んでいるようでして、ユダヤの木が間違って、【ユダの木】となってしまったのだろうということでした。
ユダヤの木と呼ばれるのは、この植物が地中海方面に自生しているからとのこと。
新たなストーリーを作って
セイヨウハナズオウの名誉を挽回しなければいけませんね!
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【Flower storiesサクラソウ】~Key Flower 鍵の花
ICHIKAWA Kazuhiroです。
花にも様々な逸話がありますが、
日本昔話的な話もあるもんですね。
今回はドイツに伝わる、ハッピーエンドのお話でした。
【Flower〜サクラソウ】
鍵の花と呼ばれるドイツに伝わる逸話
ドイツでは、サクラソウのことをSchluesselblume【鍵の花】と呼びます。
これは、ある伝説が元となっています。
病に伏せる母のために少女が花を摘んでいると、
サクラソウの妖精が現れ、サクラソウを渡してこう告げます。
このサクラソウを鍵として城門を開けよと。
そして、城へやって来た少女に妖精は宝物を授けた、という話です。
実はサクラソウが【鍵】に関係するのは、
ドイツだけではないようです。
例えばスウェーデンではサクラソウを【五月の鍵】と呼び、
イギリスでは鍵を管理する聖ペテロに由来して、
【ペテロの草】なんて言われているそうです。
また、サクラソウは学名をPrimulaといいますが、
ラテン語の「primos(最初の)」を語源とし、
早春にいち早く花を咲かせ始めることから付けられたとされています。
春の扉を開ける【鍵】という意味もあるようです。
花言葉の一つは【青春の始まり】。
これから始まる若々しい未来という扉の前で、
今まさにその鍵を開けようとしている、
そんな気持ちになれるお花です。
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